読了:グラスバードは還らない (The Glass Bird will never Return), 市川憂人 [読書日記]
* グラスバードは還らない (The Glass Bird will never Return), 市川憂人, 東京創元社, 9784488406233
市川の「漣&マリア」シリーズ第3弾である。
第1弾、第2弾ともにいわゆる叙述トリックの香りがするミステリだったので、これも何か仕掛けがあるに違いないと思いながらの読了。
いやいやしかし。読み終えてかなりゾクゾクっとしましたね。
ゾクゾクと言っても、超絶トリックを目の当たりにした恍惚感、みたいなのではなく、背筋がうっすら寒くなる系の。
叙述トリックというか舞台づくり的なアレは、だいたいそんなところかなあと(すいません電気・電子関係は技術史も含めそれなりにわたくし詳しいです)いう感じだし、それが割れた時点で首謀者(?)の属性もだいたい見えてしまうのは残念。
伏線的にちらっと途中で出てくる〇〇〇〇〇〇も、メタ〇〇〇〇〇関係の発表とかを覚えている技術屋&SFアニメも幅広く見ている人はははあんと思えてしまうし、そうなるとすべてあるあるに。
・・・なんですが、フィナーレに近づいたところでとんでもない驚愕の事実が述べられるのですね、これが。えええええ~(ゾクゾク~)。
何故か「地球の長い午後」が脳裏に浮かびました(ぜんぜん違うけれど)。
しかし、いいのかなこれ。作品世界はパラレルワールドという設定ではあるものの、すごい問題作なんじゃないですかね?
すごいミステリと思えたかどうかはともかく、ほんとう驚きました。
市川の「漣&マリア」シリーズ第3弾である。
第1弾、第2弾ともにいわゆる叙述トリックの香りがするミステリだったので、これも何か仕掛けがあるに違いないと思いながらの読了。
いやいやしかし。読み終えてかなりゾクゾクっとしましたね。
ゾクゾクと言っても、超絶トリックを目の当たりにした恍惚感、みたいなのではなく、背筋がうっすら寒くなる系の。
叙述トリックというか舞台づくり的なアレは、だいたいそんなところかなあと(すいません電気・電子関係は技術史も含めそれなりにわたくし詳しいです)いう感じだし、それが割れた時点で首謀者(?)の属性もだいたい見えてしまうのは残念。
伏線的にちらっと途中で出てくる〇〇〇〇〇〇も、メタ〇〇〇〇〇関係の発表とかを覚えている技術屋&SFアニメも幅広く見ている人はははあんと思えてしまうし、そうなるとすべてあるあるに。
・・・なんですが、フィナーレに近づいたところでとんでもない驚愕の事実が述べられるのですね、これが。えええええ~(ゾクゾク~)。
何故か「地球の長い午後」が脳裏に浮かびました(ぜんぜん違うけれど)。
しかし、いいのかなこれ。作品世界はパラレルワールドという設定ではあるものの、すごい問題作なんじゃないですかね?
すごいミステリと思えたかどうかはともかく、ほんとう驚きました。
読了:脳にはバグがひそんでる : 進化した脳の残念な盲点 (Brain Bugs), ディーン・ブオノマーノ [読書日記]
* 脳にはバグがひそんでる : 進化した脳の残念な盲点 (Brain Bugs), ディーン・ブオノマーノ, 柴田裕之, 河出書房新社, 9784309467320
人間の脳(というより思考や記憶の機能)の根本的な限界や特性について語ろうという科学解説本。
冒頭はヒト(というより哺乳類の)脳と神経系の構造と、それがどうやって記憶や思考の機能を実現しているか、の解説から始まる。絵のないNewton誌を読んでいるような気分になってくる。ちょっと思ったのと違うなあ、と読み進めていくと、次第に認知バイアスやら、記憶能力の限界や特性といった話になってくる。
で、これが実は脳と神経系の構造などに起因している、という話に縦一本でつながるのだ。
このあたりでもうすっかり掴まれました。
ニューロンがどうやって機能しているかとか、経験や記憶がどう記録されているか、のような話の、概念的なところはそれこそNewton誌などで何度も読んでいたはず。
そして、それとはまったく別の観点から、人は認知バイアスを持ち、パラドックスにどのように反応し、のような話も心理学的な切り口で何度も読んでいたはず。
それらが根っこでつながっているというのを、ここまで論理的にばっさりと。うーん、なんだか今まで「ぼーっと生きて」きたような気がしてしまう。
翻訳書なりの読みづらさは否めないが、まあそれを頑張って読んだなりのことはあると思える内容であります。
巻末の参考文献と注釈の山がこれまたうれしいですね。
人間の脳(というより思考や記憶の機能)の根本的な限界や特性について語ろうという科学解説本。
冒頭はヒト(というより哺乳類の)脳と神経系の構造と、それがどうやって記憶や思考の機能を実現しているか、の解説から始まる。絵のないNewton誌を読んでいるような気分になってくる。ちょっと思ったのと違うなあ、と読み進めていくと、次第に認知バイアスやら、記憶能力の限界や特性といった話になってくる。
で、これが実は脳と神経系の構造などに起因している、という話に縦一本でつながるのだ。
このあたりでもうすっかり掴まれました。
ニューロンがどうやって機能しているかとか、経験や記憶がどう記録されているか、のような話の、概念的なところはそれこそNewton誌などで何度も読んでいたはず。
そして、それとはまったく別の観点から、人は認知バイアスを持ち、パラドックスにどのように反応し、のような話も心理学的な切り口で何度も読んでいたはず。
それらが根っこでつながっているというのを、ここまで論理的にばっさりと。うーん、なんだか今まで「ぼーっと生きて」きたような気がしてしまう。
翻訳書なりの読みづらさは否めないが、まあそれを頑張って読んだなりのことはあると思える内容であります。
巻末の参考文献と注釈の山がこれまたうれしいですね。