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読了:イノベーションのジレンマ (The Innovators Dilemma), クレイトン・クリステンセン [読書日記]

* イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (The Innovators Dilemma), クレイトン・クリステンセン, 伊豆原弓, 翔泳社, 4798100234

1年位前に買ってずーっと積読になっていたのを、先々週から掘り出して読了。(先々週に2泊で仙台出張していて、ホテル部屋および復路「スーパーひたち66号(仙台→上野)車内であらかた読んだのですが。)

内容は要するに、技術開発には性質として不連続なケースがあって、しかし「正しい」企業経営をしているとそれを見過ごすことになって、結果として企業が立ち行かなくなる、という話について、どういうケースは不連続になりえて、その場合にどういう対応をすれば成功の可能性があるか、という分析を行っているもの。

・・・目からうろこでしたね。もともとどちらかというと企業経営判断をする人が読むためのものになっていると思われる。しかし本文中でも何度か触れらているように、技術開発の中核を担っている中堅層のマネージメント判断にも影響がある。営利企業で、技術に関するマネージメントを多少なりとも行う人なら、読んで損することはまったくないと思う。いやいや、ぜひ読むべきでしょう。特に企業研究所なら、初級マネージメント教育のプログラムとして必修で読ませてよいのではないか。

著者が研究対象にしたと言う良いサンプルとして、ハードディスク装置における世代交代の話がでてくるが、電子計算機技術の誕生や進展とともに生きてきた世代としては、非常に身近な技術の話であるのでとてもわかりやすい。不連続技術開発(本書では「破壊的イノベーション」)の話が実例で紹介されるのだが、ちゃんと技術の中身の説明をするのでよく理解できるし、話が頭に入るのだ。図版の量も抑制されており良質。
逆に、技術的観点ではない話、たとえば経営学とかにかかわる話は殆どと言ってよいほど出てこない。(「粗利」くらいは出てきますが、経営と言うより会計ですかね。)
で、これらがあいまって、とてもわかりやすい。翻訳もとってつけたところが無くて良質。一部、アメリカ在住者じゃないとわからない言い回し(シアーズはターゲットに負けた、とか日本人に向かって説明されてもねえ・・・)はあるものの、これは訳しようがないですからね。
ビジネス書って、読んでしまってから外したことがわかると悲しいですが、これは間違いなくお勧め。(っていうか、もっと早くに読んでおけ>自分)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)


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apsev

遠い昔、(コサ)塾で強制購入させられて、読みました。良書です。ではでは。
by apsev (2011-03-19 22:40) 

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