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読了:羊たちの沈黙 (The Silence of The Lambs), トマス・ハリス [読書日記]

* 羊たちの沈黙(上) (The Silence of The Lambs), トマス・ハリス, 高見浩, 新潮社, 9784102167083
* 羊たちの沈黙(下) (The Silence of The Lambs), トマス・ハリス, 高見浩, 新潮社, 9784102167090

1980年代に映画化もされたサスペンス・ホラーの古典的名作。
ホラー系は敬遠していたのだが、「東西ミステリベスト100」に載っているのはさすがに読もうと思って入手し、しかし3年以上積読になっていたものをようやく読了。

1988年作品。巻末解説によると4部作シリーズの第2作という扱いらしい。実は事前の予備知識はほぼ映画の予告編のみ。古典の金字塔ゆえ一度はよんどかないとくらいのモチベーションでしたが、途中からドンドコと引き込まれて計8時間ほどで一気に読了。

ただこれ、分類は絶対ミステリィじゃないです。
序盤あたりから超ご都合主義な展開が気になりつつ読んでたのですが、まぐれなラッキーで解決してメデタシメデタシやら、実は〇〇は全てお見通しなのでしたとか最後で興ざめ。
解説にもあるように、あくまでサイコスリラーないしはサスペンスなんだという前提で読まないといけなかったということだ。

ふつうに読んでるだけで、このシーン絶対ハリウッド映像化考えて書いてるよな、とか凄く目について下品かなぁというのも気になるし、あと、古典だからOKなのかもですが、今となってはこんな色眼鏡な人物描写したら特にアメリカじゃ裁判だらけになりそう。大丈夫なんだろうか。

羊たちの沈黙(上) (新潮文庫)


羊たちの沈黙(下) (新潮文庫)


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読了:カササギ殺人事件 (MAGPIE MURDERS), アンソニー・ホロヴィッツ [読書日記]

* カササギ殺人事件(上) (MAGPIE MURDERS), アンソニー・ホロヴィッツ, 山田蘭, 東京創元社, 9784488265076
* カササギ殺人事件(下) (MAGPIE MURDERS), アンソニー・ホロヴィッツ, 山田蘭, 東京創元社, 9784488265083

ホロヴィッツの長編ミステリである。2019年の年末ミステリランキングを総なめしたというベストセラー。上下巻で大部なのを言い訳に1年あまり積読になってたのをこのたびようやく読了。

冒頭から書かれているのでネタバレではないはずだが、本作品は作中にミステリ作家が登場し、その作家が最近ものした長編ミステリ小説がまず語られる、という、いわゆるメタ構造になっているのだ。それ自体をトリックのようにつかう前例があるような気がするが、冒頭で間違えようがない形で断っているので、そのこと自体はトリックではないのだ。だがしかし・・・というところがポイントということだ。

上巻を読み終えたところでまずは茫然自失、そして下巻をひらくと読者は目を剥くという仕掛け。そして物語は全然違う方向へと向かうように見える。(再び)だがしかし・・・というわけである。

作中、クリスティ作品へのオマージュっぽい記述がちらほら出てくるのも、それなりに歳をくった一読者として楽しいのもあり、大部だけれど案外サクサクと読み進められるのもポイント。翻訳が良いのかもしれない。

メタ構造であることがある意味で必然であるという点こそがこの作品の肝になっている、というのがその辺の変わり種ミステリとは一線を画すということなんでしょう。きれいに騙されたとか度肝を抜かれたというよりは、なんというか圧倒されたというのが読了直後の感想であります。
続編もあるらしいですが、いや、いったいどうやってつなげるんだろう。

カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)


カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)


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