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読了:貴族探偵 麻耶雄嵩 [読書日記]

* 貴族探偵, 麻耶雄嵩, 集英社, 9784087451269

帯紙によれば、「職業=貴族、趣味=探偵」。
麻耶は作品に少々エキセントリックな探偵を登場させることがあるが、これもご多分にもれずかなりの変わり種だ。
ピーターウイムジィ卿がモチーフかと思えばそういうわけでもない。

強権を用いて強引に現場に割り込んでくる「貴族探偵」。彼が伴っている運転手やら執事、メイドやらも強烈な個性の持ち主である。
中身はかなりのドタバタ推理劇だが、各話の終盤になると読者は一旦は茫然、2度目は水戸黄門を見ているがごとくの境地となる、というものだ。

本作は、ストレートないわゆる推理小説をだいぶん読みつけた擦れた読者は、それなりに面白がって読めると思う。
が、まだまだこれから推理小説を読もうという読者層には、あまり向かないかもしれない。ミステリのお約束ごとをわざわざ引っくり返してみせているところがあるので、前提をよく知らないと何が面白いのか、ということになりかねないのだ。

貴族探偵 (集英社文庫)


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