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読了:日本史の謎は「地形」で解ける 竹村公太郎 [読書日記]

* 日本史の謎は「地形」で解ける, 竹村公太郎, PHP研究所, 9784569760841

もと土木官僚の著者が、地形観察によって歴史の謎を解き明かす、という趣向の本。
タイトルと表紙をみたとき、いい着眼じゃないかと思った。
地形、地勢が歴史的事件に影響を与えているのは確かだろうし、うまく分析すれば、と。

読み始めて第一節はなかなか面白い。利根川の河口を動かした徳川家康の着想と遠大な狙い。
ま、これのどこが謎の歴史なんだ(普通の歴史では)とは思ったが、まあ真っ当に地勢を観察しての話になっている。展開が楽しそうだ。

ところが読み進めていくとこれが全然いけない。
ご本人、石山本願寺が大阪城近傍にあったことをまるで知らなかったらしい。(関東出身だから知らなくて当然と開き直る。)
源頼朝が押し込められていた蛭が小島は、伊豆半島ではなく伊豆の離島だと思っていたらしい。
(で、それは教科書が悪いんで自分のせいじゃないと強弁し続ける。あれれ伊豆は関東...)
小学校で習うレベルの基本的な日本史を知らない。
この知識レベルを見せられて、人文系の歴史学者がいくら考えても分からなかったことを、この土木学者のワシがちょっと地形をみればパッと解決、なんて言われても脱力するだけだ。

そして、文章もすらすら読めるものとは言い難い。
本人が言いたい主張を強調したいのだろうが、同じフレーズの繰り返し多用。
やたらと感嘆詞多用。さらに会話ではしょっちゅう叫ぶ。「まったくありえない!」などと。
読みにくいことこの上ないのだ。

そしてそして、技術屋としてあるまじき、個人的思い込みだか信念に近い我田引水な論理展開の数々。
歴史知識もダメ、文章力もダメ、論理的展開もダメ、いったい何者なんだという状況。

最後の方の章になると、お題自体もぐだぐだ。
時間の無駄です。


日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)


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