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読了:11文字の檻《青崎有吾短編集成》 (Prisoner of Writing), 青崎有吾 [読書日記]

* 11文字の檻《青崎有吾短編集成》 (Prisoner of Writing), 青崎有吾, 東京創元社, 9784488443153

青崎有吾の短編集である。
青崎作品は長編の「○○館の殺人」シリーズを何冊か読んでいるが、連作ものでない短編は初読。

冒頭「加速してゆく」、いや、すごいテーマを持ってきましたよ。これは決してミステリではないし、もちろんドキュメンタリでもない。しかし圧倒されました。
「・・・ガラス屋敷」は純然たる密室殺人もののミステリ(といってよいでしょう)。いやー、これは痺れました。
作者が前書きで言っているように、この後はいろいろなテイストの作品が続き、そして最後が表題作「11文字の檻」。自然と期待が高まります。

導入は謎の状況の説明がちょっと長々と入るものの、中盤からの展開はJPホーガンの初期作品のようなワクワク感満載。ただ主人公が相対するのが自然の法則や犯罪者の思考ではなく、人により作りこみが終わっているアルゴリズム的なもの、というのに職業柄やや鼻白みつつ(因果な商売です…)、楽しく読んでおりました。
それだけに唐突な結末にぼうぜん。え、そんなの分かるわけないじゃん。あれ?もしかして文系の賢い人は一足飛びにここにたどり着けるの?それって常識なの??

うーん。いろんな評者が傑作傑作といっているのに、ぜんぜん膝を打つ感がない。文系科目をさぼっていたのがまずいんでしょうね、つらい。

11文字の檻: 青崎有吾短編集成 (創元推理文庫)


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読了:真夏の日の夢, 静月遠火 [読書日記]

* 真夏の日の夢, 静月遠火, KADOKAWA, 9784048703468

表紙絵がライトノベルっぽいミステリである。静月作品は初読。
帯紙には「ドタバタコメディと思いきや」「複線の数々」「驚きの結末!!」などの煽り文句が躍る。裏表紙を読んで、バイオスフィアみたいな話かなあ、密室殺人ってことかなあ、と思いながら読み始める。文字も大き目だし会話文も多いし、2時間ばかりで読了。

う~~~~~ん。

総じて(ドリフ並みの)ドタバタ劇だし、確かに伏線ぽいものはいくつか。驚きの結末を描いているのもその通り。帯紙はうそを言ってはいない。

ただこれがミステリかっていうとどうなんでしょう。
メインの伏線として引いたと思われるコレは、平成初期ごろ手あかがついた有名なやつだし(そのつもりで読んでるとすぐ分かっちゃう)、終盤で明らかになる大掛かりな「驚き」の話は、ドイルにまで遡る超有名ネタとようするに同じ。

あとはそうですね、とある登場人物についての救急隊発言(上の①と根は同じ)につい噴き出したのが収穫といえば収穫。笑

あ、でも、よく見たらどこにもミステリだなんて書いてないな。
そうか、そういうことか!(カヲ○)

真夏の日の夢 (メディアワークス文庫)


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