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読了:叫びと祈り, 梓崎優 [読書日記]

* 叫びと祈り, 梓崎優, 東京創元社, 9784488432119

ミステリ連作短編集。書店に平積みになっているのをみて気になって購入。
帯紙にもあるが、冒頭収録の「砂漠を走る船の道」は2008年のミステリーズ!新人賞受賞作である。

この作品を皮切りに、主人公(なのだろうか?)の斉木氏が、時に探偵的な、時には狂言回しのような形で、5編のお話が進んでいく。

斉木は日本人らしいのだが、舞台はおおむね異国の地、冒頭作などはサハラ砂漠の真ん中だったりする。ストーリーを読んでいくと、なんとなく前衛的な感覚でもあるし、それでいてやたらと情緒的な印象でもある。「奇妙な味」ともちょっと違う。トリック前面などでは全くなく、どうしてそういう行動に?というあたりがメインの謎。大きくくくればハウダニットになるのだろうか。

とはいえ、ふだん読みつけているミステリとは違う世界に連れて行ってくれるような、何故かそんな読後感。文章のつくりとか、言葉の選び方とか、心象の表現に仕方あたりにそういう感覚を持つのかもしれない。個人的にはこういう作り、好みである。全然分野が違うのですが、紀行作家の故・宮脇俊三の作風に遠いところで類似を感じたりしました。

叫びと祈り (創元推理文庫)


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