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読了:ビブリア古書堂の事件手帖7 栞子さんと果てない舞台, 三上延 [読書日記]

* ビブリア古書堂の事件手帖7 栞子さんと果てない舞台, 三上延, アスキー・メディアワークス, 9784048926409

ビブリアシリーズ第7弾にして、最終話(?)である。5年ほど積読だったのを読了。
これまで国内作家の古書を扱っていたシリーズも第7弾ではシェイクスピアもの。前作の流れでかなり人間関係がややこしくなり、人物相関図が扉に挿入されてしまう事態である。人々の行動原理もだいぶ常軌を逸しつつある気もする。
とはいえ、続編がどういう設定ででているのを書店で見て知ってしまっているので、二人が最後にどうなるのかは目算がついて読んでいたり。

さて新キャラクターとして、いかにもという感じの悪役が登場。なんとなく典型的な結末を予想しつつも、あまりにひどすぎる悪役ぶりを流れのままに堪能していく。

最後のトリックは、直前の伏線でだいたい分かってしまったのだが、でも期待していた物理的説明がなかった(比○は同じはずで、ぴったりなのに?)のが腑に落ちないのだが、まあ本格ミステリではないのでそこは良いのでしょう。

(関係ないですが、大船の名店「観音食堂」が全焼してしまったのが個人的にショックです。結局1度しか食事していなかった…。)

ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)


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読了:ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ, 三上延 [読書日記]

* ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ, 三上延, アスキー・メディアワークス, 9784048691895

ビブリアシリーズ第6弾である。なんと8年ほど積読だったのを読了。
登場人物や、彼らにまつわる事情などはおおむね記憶しているのだが、ちょっと細かい事件のあれこれをだいぶ忘れている気がしたのだが、本書の冒頭でうまいこと説明文が加えられていて助かった。もし前作を読み飛ばしてしまっていてもOK、という心遣いでしょうか。

本作では、太宰治の稀覯本が登場。どう「稀覯」なのかわからずに皆が血眼になってそれを探す、という、一種独特の世界を垣間見つつ、これまでよりさらに輪をかけてややこしくなっていく人間関係を解きほぐしたりもつれさせたりするのを、ひたすら著者の手のひらの上で流れに沿って読んでいく、というこれまで通りの展開である。

シリーズ当初はご当地もの青春ミステリなのかと思っていたのですが、ご当地はともかく、どんどんドロドロになっていくストーリ。果たしてあと1作で着地できるのでしょうか?

ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)


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読了:カナダ金貨の謎, 有栖川有栖 [読書日記]

* カナダ金貨の謎, 有栖川有栖, 講談社, 9784065238233

有栖川有栖の国名シリーズ短編集である。小説家・アリス&火村探偵もの。
5編が収録されているが、うち2編は超短編という格好だ。ぜんぶを構えて読んでいると肩透かしを食う。

ともあれ火村節は健在。超ストレートな謎解きものがあるかと思えば、えぇーそういう動機ってありうるのかみたいは話(いや、でも近年ならありえそうな話な気がしてきた)、などなど。

個人的には、冒頭のつかみもふくめて「トロッコの行方」が好み。ミステリ小説にトロッコ問題なんて持ち出してどうするんだと思っていたら、、、という展開が楽しい。ただし結末は、なんというか身につまされる、悲しいお話ではあるのですが。

カナダ金貨の謎 (講談社文庫)


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読了:歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史, 原武史 [読書日記]

* 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史, 原武史, 朝日新聞出版, 9784022951397

タイトル通り、日本近代史のいくつかのトピックスを鉄道という切り口で切り取ったエッセー本である。もともと朝日新聞の週刊のコラム欄に掲載されたものを編集しなおしたという体裁である。

タイトルもあって、宮脇俊三の「時刻表昭和史」のようなものを想像したのだが、切り口はだいぶん異なる。著者は筋金入りの鉄道マニアでもあるようなのだが、現役の政治分野の学者さんであるのだ。

そして内容は案外多岐にわたっている。日本史の教科書に必ず出てくるような人物がいつどの列車に乗って何をしたことによってその後の日本は・・・といった大掛かりな話から、著者自身が若いときに邂逅したローカル線のたたずまいの記憶、といった多分に私的な思い出まで。ばらばら感がないと言えばうそになるが、逆に通読している読者にとっては、自分の知らない方角から見た景色に光を当ててくれるという感覚になるのが嬉しい。

個人的には大船観音の話が興味深かったですね。種村直樹の逸話はきいたことがあったが、それ以外はほぼ初耳で。読みごたえあります。


歴史のダイヤグラム 鉄道に見る日本近現代史 (朝日新書)


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