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読了:濱地健三郎の霊なる事件簿, 有栖川有栖 [読書日記]

* 濱地健三郎の霊なる事件簿, 有栖川有栖, KADOKAWA, 9784041083222

有栖川の新探偵シリーズである。これがなんと「心霊探偵」。
いったいどうなることやらと思いながら読み進めるわけだが、いや、存外に面白い。
いわゆる「本格」になりえないのは仕方ないとして、心霊が見えるからといって論理をすっとばしているわけではない、というあたりがポイントなのかもしれない。世の中の前提をちょっと変えてみた舞台、というところかしらん。少し前に読んだ「〇〇荘の殺人」の立ち位置とも似ているような気がした。

主人公たる濱地氏もなかなかの食わせ物だが、助手をにんずるユリエ嬢もちょっとどうして一癖ある感じ。不思議な力の助けを借りて、向かい合うのは哀しい人間の心、というところだろうか。少なくともこれはホラーではないし、決してオカルト小説でもない。何ともいえない読後感でありました。

濱地健三郎の霊なる事件簿 (角川文庫)


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