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読了:カクレカラクリ (An Automation in Long Sleep), 森博嗣 [読書日記]

* カクレカラクリ (An Automation in Long Sleep), 森博嗣, メディアファクトリー, 9784840128933

森博嗣の非シリーズもののミステリ小説。
裏表紙のコピーによれば「爽快青春ミステリィ」。うーんどうなんだろうと思いながら読み始めた。

工学部のお気楽な男子大学生2人が主人公のよう。ヒロインは、とある地方の村の名家のお嬢様。その村にある廃墟となった鉱山と工場を愛でるというのが男子2人の旅の目的のはずだったのだが・・・。というイントロ。さすが理系ミステリな森先生、自分は廃墟マニアではないのだが、機械装置まわりの描写がおもしろすぎてグイグイと引き込まれてしまう。

青春ミステリィということで、誰かが死んだり殺されたりするわけではないというのがポイントか。120年前に仕掛けられたというカラクリ仕掛けが村のどこかに隠されており、それが今年動き始めるはずなのだ、という伝説というか村の言い伝え。それはいったいどんな仕掛けなのか、どういう立地に設置されたはずなのか、当時使えたはずの工業材料や技術、120年間メンテフリーで維持できると期待できる構造、などなど。仮説を考えだしては捨て、思いついては検証を繰り返す。うーん、まさに理系ミステリの真骨頂、てな感じであります。

最後のほうの謎解き?は少々ご都合主義的な香りもしなくはないのですが、とにかくそこに至るまでの考察の数々が楽しくて仕方ありません。こんな変な読者ばかりではないかもしれませんが。

カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep (MF文庫ダ・ヴィンチ)


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