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読了:死が二人を別つまで (A New Lease of Death), ルース・レンデル [読書日記]

* 死が二人を別つまで (A New Lease of Death), ルース・レンデル, 高田恵子, 東京創元社, 9784488243029

レンデルの「ウェクスフォード警部」シリーズの長編。1967年作品。
邦訳文庫は東京創元社から1987年に出ているのだが、入手したのは2017年11月。2年の積読を経てようやく読了。レンデル作品は初読。

主席警部のウィクスフォードとその部下であるバーデン警部が、徹夜明けの仕事場(地方の警察署である)で手紙を吟味するところから物語は始まる。16年前に殺人の罪で絞首刑になった男が無実ではないかというのである。やがて現れた手紙の主たるアーチェリー牧師。二人の刑事から否定的な見解と情報を得るも、アーチェリー氏は素人ながら、過去の事件の結論をひっくり返すための調査を開始するのだが・・・、というストーリー。

田舎町ならではのややこしい人間関係の情報が大量に展開され、加えて面倒そうなロマンス話もからみ、読者としてはどれが手掛かりでどれがいわゆるレッドへリングなのか右往左往する。そして、牧師の調査が進むにつれ、くだんの男の無実を推定する材料はちゃくちゃくと減っていくのだ。いったいこの話をどこに落とすのか心配になってきたころ、あれ?という違和感が提示され、そしてその方向へ転がったストーリーは読者が予想だにしていなかった結末でもって幕を閉じる。(ええええぇ~~~~そんなんでいいの~~~?)

なんというんですかね。英国ミステリの古典の中でも、個人的にだいぶ異色だと思うわけです。とはいっても、現実世界での謎解きとはこんなもの、といった達観も見え隠れしていて、時代的にクリスティ以降だとはいえちょっとした驚き。当時としてはだいぶ物議をかもしたんではないでしょうか。そのへんも込みで、都築道夫の解説が短めでそっけないのが微妙に残念だったりしました。先生もうちょっと解説してください(笑)。


死が二人を別つまで ウェクスフォード警部シリーズ (創元推理文庫)


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