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読了:人間のように泣いたのか? (Did She Cry Humanly?), 森博嗣 [読書日記]

* 人間のように泣いたのか? (Did She Cry Humanly?), 森博嗣, 講談社, 9784065135945

森博嗣のWシリーズ第10弾にして完結編である。
人工知能と人工生命が人類とどう共存することになるのかの解が示される・・・のかなぁとぼんやり想像しながら読み始めた。

ものがたりは学会の実行委員を担うことになったハギリ博士のぼやきから始まる。このあたりなかなか笑えます。S&Mシリーズでも学内の委員会に時間を取られてぼやく犀川先生とか、Gシリーズでも伊豆で開催される全国大会を心の中でこき下ろすシーンとか、この手のシチュエーションでの辛辣さは元祖「理系ミステリ」ならでは(笑)。

そのまま話が進むのかと思いきや、一気に事態は緊迫し、そしてWシリーズらしいともいえるドンパチ開始。ハリウッド映画か香港映画もかくやと言わんばかりの場面展開と派手なアクション。いつものネットワークバックアップを得られないための苦戦は、しかしちょっと微妙な効果をもたらすのである。最終章には期待通り真打が登場するものの詳細は語られず、エピローグでは本作のメインテーマも絡めたと思しき意味深な描写。

大団円というには程遠く、いや森先生まだまだ引っ張りますね、というところかと。
でもそれはそれで楽しみではあります。

人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? (講談社タイガ)


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