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読了:さよならブルートレイン: 寝台列車ミステリー傑作選, 鮎川哲也、他 [読書日記]

* さよならブルートレイン: 寝台列車ミステリー傑作選, 鮎川哲也、他, 光文社, 9784334769840

寝台列車を舞台にした短編を集めた作品集。
最後のブルートレイン「北斗星」が廃止となった2015年に編まれたもの。収録作品は次の8編。
 急行出雲、殺意の接点、新婚特急の死神、ブルートレイン殺人号、ダブルライン、亡霊航路、殺人は食堂車で、夜汽車の記憶

この中でも鮎川哲也の名作「急行出雲」はもちろん読了済み、西村京太郎の「殺人は食堂車で」も同様なのだが、ほかは読んだことがないなぁということで手に取った。「急行出雲」が収録されている時点で必ずしも舞台は「ブルートレイン」ではない(ブルートレインという名称は20系客車以降のものであって、寝台列車全般を示すものではないので)わけだが、まあ細かいことは置いておきましょう。

ページを繰ってみると、作家ごとに特徴があってなかなか面白い。
森村誠一作品「殺意の接点」は明らかな作為をどうつぶすかというところが焦点なわけなのだが「ブルートレイン」だったら実行不能なトリッキーな話になっていてちょっとえ~と思ったり、トリックを思いついたから書いてみました系の作品も目についたりして少々鼻白んだり。

鉄道ものミステリというと、どうしても作品を多数読んでいる鮎川が基準になってしまうのでそのあたりは少々割り引く必要があるのだが、それにしても作家ごとに視点がこんなに違うのだなぁというのを実感した次第である。なかなかこういうアンソロジーも面白いものですね。


さよならブルートレイン: 寝台列車ミステリー傑作選 (光文社文庫)


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