SSブログ

読了:泣くな研修医, 中山祐次郎 [読書日記]

* 泣くな研修医, 中山祐次郎, 幻冬舎, 9784344429680

医療現場をテーマにした小説である。著者は現役外科医ということで、リアリティがすごい、と某所でお勧めされていたので、ふだんSFとかミステリばかり読んでいるのだが、手に取ってみた。

メインの登場人物は医師免許をとって1年目、新人外科医(研修医というらしい)の雨野医師。都内の病院で外科&救急科で働いている。交通事故で大けがを負った救急搬送患者を軸に、新人医師なりの困難を乗り越えよう乗り越えようとしているさまを描いた医療小説(なのだと受け止めました)。

医療ミステリーではないのでもちろん謎解きなどはなく、しかし自然界の掟に従って人が死んだりはする。それを何とか食い止めようと医療者は全力で戦いを挑む。新人ならではの力の及ばないところやら、今の人間のもつ科学力の限界やらも、あちこち見え隠れする。読んでいて、これは辛いな、ああまずい涙腺が、ということが何度も。それでも、文章の迫力にページを繰る手は止められない。

勧善懲悪な医療テレビドラマとか、医者が主人公なミステリなどを見慣れていると、このすっきりしないお話はいったい?とか思うかもしれない。でもきっと現実は…。これもあくまで小説ではありますが、医療現場はたぶん小説より奇なり、なのでしょう。

泣くな研修医 (幻冬舎文庫)


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。