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読了:叙述トリック短編集, 似鳥鶏 [読書日記]

* 叙述トリック短編集, 似鳥鶏, 講談社, 9784065230879

タイトル通り、いわゆる「叙述トリック」を前面に押し出した連作短編集ミステリ。似鳥作品は4冊目の読了。
前書きにもあるが、叙述トリックものはアンフェアではないかという批判と常に隣り合わせである(クリスティ某作は大論争を当時巻き起こしたとか)。本作は、これは叙述トリックものですよ~というのを事前に宣言することでフェアになるのでは?というお話である。

表紙が面白いのはおいておいて、読み始めると前書き「読者への挑戦状」からしてもう怪しさ満点。素直に読むべきなのか、これ自体がミスリードなのか。本編に進むと、一見ふつうの今風なミステリ小説が展開されるのだが、セリフも地の文もなにがどこまでミスリードなのか、あちこち疑りながら読み進むことに。

でもうーん、読んでいてけっこう疲れましたね。まじめに読み込みすぎかもしれません。最後のほうでいろいろな伏線(というより読者が陥っていた誤謬)を回収するわけですが、おおぉ~と膝を打つ、というよりは、ちょっと脱力して笑ってしまいました。

すくなくとも、近代のミステリをだいぶ長いこと読みつけている擦れた読者、のほうが楽しめる、という感じですね。
似鳥の青春ミステリ風のシリーズでミステリの世界に足を踏みつつある生徒さんとかは、これはしばらく避けたほうが良いかも?

叙述トリック短編集 (講談社タイガ)


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