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読了:さよならドビュッシー, 中山七里 [読書日記]

* さよならドビュッシー, 中山七里, 宝島社, 9784796679923

中山七里の「音楽もの」長編ミステリである。「ヒポクラテスの~」シリーズ2冊に続いて、中山作品は3作目の読了。発表時期はもちろんこちらが早くて2010年の作品。「第8回このミステリーがすごい!大賞作品である。

何かのお勧めリストに載っていたのがきっかけで入手したのだが、1年余り積読になっていたもの。この度ようやく読了。冒頭からいきなりピアノのレッスンシーンである。「あたし」と従姉妹のルシア。おっとキラキラネームと思ったらインドネシア生まれの日本人という設定。そして微妙に怪しい面々が集う資産家一家が描かれ、そしてとある事件が勃発する~という導入部。このあとはしばらくとても痛々しい描写が続くのだが、「あたし」はそれを乗り越えようと文字通り血のにじむような努力を・・・という話。

解説でも触れているが、本作はミステリでもあり、音楽小説でもあり、そしてスポ根ものでもあるのだ。これを読書として楽しめるかどうかは読者によるかもしれない、と思う。申し訳ないが、音楽的なびっちり書き込まれた用語の数々は半分斜め読みするしかなかった。学生時代は私もっぱら美術選択でしたし。

さて、ラストに待ち構える衝撃!の部分は、ページが1/3も進まないうちに気づいてしまったのがちょっと残念。いや、、、だって、、、伏線があからさますぎ。当事者と読者にしかわからない事実なんで、作中の人物がそうなっちゃうのは仕方ないので不自然ではないのですが。普通に読んでいて、あれ?そういえばあのずいぶん凝った○○はこのお話にどういう意味があるわけ?と思った瞬間に気づくタイプ。まぁデビュー作品なのでそのへんは仕方ないのかも?
とはいえ、ミステリとして面白い作品であることも、それはそれで間違いではないでしょう。

さよならドビュッシー (宝島社文庫)


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