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読了:死体は語る2 上野博士の法医学ノート, 上野正彦 [読書日記]

* 死体は語る2 上野博士の法医学ノート, 上野正彦, 文藝春秋, 9784167914455

法医学の権威、上野先生の最新著作である。2007年くらいに「死体は・・・」のシリーズを3冊くらい読んで以来である。
本書は、警察官向けの冊子に連載していた講座の原稿をまとめたもの、ということのようで、26の分野を順に講義していくような形になっている。そういう原理に基づいてその所見は出現するのか、の説明とあわせて、上野先生が過去に遭遇した典型的な事件を手短にまとめて紹介している。このあたりが色々な意味でかなり生々しい。

個人的には、いわゆるミステリ小説を読むのが好きなので、なんだかんだ言ってこの種の知識はうっすらと表面的には聞いたことがある話が多い。そういえばつい先日、アリバイ崩しものの短編集を読んだばかりである。本書は、その種の話を科学的見地(一部、法医学者個人の経験に基づくしかないようなところもあるようだが)をもとにして一通り解説してある(しかも専門家向けではなく医学の素人向けに)という意味で、なかなか類を見ないものになっているのでは、と思う。

それにしても上野先生、「死体は語る」は30年前に退官したときに上梓したとのことで、既にかなり良いお歳と見受けられるのだが、法医学分野の将来を憂いてこの本をまとめて出版することにしたらしい。テレビドラマやサスペンス映画ではものすごく重要な役回りをする法医学者、若者にはまったく人気がないそうです。。。

死体は語る2 上野博士の法医学ノート (文春文庫)


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