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読了:ときどき旅に出るカフェ, 近藤史恵 [読書日記]

* ときどき旅に出るカフェ, 近藤史恵, 双葉社, 9784575522808

とあるカフェをめぐるコージーミステリ。連作短編集の形をとる。近藤作品でグルメもの短編といえばビストロ・パ・マルのシリーズが思いうかぶが、読んでみるとそれとはだいぶ雰囲気が違う感じである。

主人公は、どこよりなにより自宅のソファの上が大のお気に入り、というOL業の瑛子さん。仕事上でのストレスやら将来の不安やらでもやもやしている中、近所に素敵な雰囲気のカフェを見つけ・・・というところから話が始まる。

このカフェ、世界各国のちょっと変わったスイーツを出しているというのだ。そして期せずして持ち込まれる「日常の謎」。その解決の糸口をおいしいスイーツで手繰りだすのは、カフェオーナーたる円(まどか)さん。

なかなかの旨そうシーンが読んでいて楽しいのですが・・・コージーな謎は編を重ねるにつれてしょうしょう生臭くなってくる。こういう展開、一連の話を連作短編集の一冊でいったん完結しようとするとある程度仕方ないところなのか、しばらく前に読んだ他作家のグルメものが途中から類似の展開で鼻白んでしまったのを思い出してしまった。

個人的にはビストロ・パ・マルのような、事実上1話完結で、短編同士は時系列が繋がっているようでどうとでも読める、のつくり(ホームズ風とも、サザエさん風ともいう)のほうが好みなのです。そのほうが創作の上でも変な縛り(少年ジャンプで学生の主人公が進級して設定に無理が出るとか)が生じなくてよいような気がするのですが。

意地悪でうがった見方をすると、作品の読者層をステレオタイプな女子向けに想定して民法テレビの連ドラ風に味付けしてしまうとこういうことになるのか、なのですが、実際そんな単純なものではないのかも。


ときどき旅に出るカフェ (双葉文庫)


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