読了:ヒポクラテスの誓い, 中山七里 [読書日記]
* ヒポクラテスの誓い, 中山七里, 祥伝社, 9784396342104
法医学をテーマにした連作短編ミステリ。
中山作品は初読。
これまで読んできた法医学ものというと、ドキュメンタリに近いもの(「法医学教室の午後(西丸)」「死体は語る(上野)」など)が浮かぶのだが、本作はフィクション、それもミステリである。主人公が女性医師ということもあって、テレビドラマ仕立ての軽い雰囲気のミステリかなぁ、と思いつつ入手。しかしその予断は良い方向に裏切られた、というのが結論。
短編5作が収録されているが、明らかに続けて読むことを期待している構成で、登場人物もおおむね繋がっている。ものがたりの柱は、とくだん不審な点もなく亡くなった人に実はあれやこれやの事情やら原因やらが~というのを法医学の権威の先生が白日の下に暴き出す、という話。主人公は内科から派遣されてきた若い女性研修医、権威の教授は言動がだいぶエキセントリック、准教授の先生はこれまた変わり者のアメリカから来た女性。話の進み方は確かに少々ドラマ仕立て。いくらなんでも県警の現役刑事がそんな行動はしないよなぁとか、真実を突き止めるためとはいってもみんなちょっと常識外れだよねとか、突っ込みどころはたくさんある。なのだが、その結果として明らかになる予想外の事態。法医学も含めて医学知識にはかなり乏しいのだが、読んでいてええぇ~と思いつつ説明にはなんだか納得してしまう書きっぷり。この辺はもう著者の筆力なのでしょう。さらに各編でちょっとずつ伏線を置いていき、最終輪でばっちり回収するというミステリファン向けの読者サービスも忘れない。楽しめました。
法医学をテーマにした連作短編ミステリ。
中山作品は初読。
これまで読んできた法医学ものというと、ドキュメンタリに近いもの(「法医学教室の午後(西丸)」「死体は語る(上野)」など)が浮かぶのだが、本作はフィクション、それもミステリである。主人公が女性医師ということもあって、テレビドラマ仕立ての軽い雰囲気のミステリかなぁ、と思いつつ入手。しかしその予断は良い方向に裏切られた、というのが結論。
短編5作が収録されているが、明らかに続けて読むことを期待している構成で、登場人物もおおむね繋がっている。ものがたりの柱は、とくだん不審な点もなく亡くなった人に実はあれやこれやの事情やら原因やらが~というのを法医学の権威の先生が白日の下に暴き出す、という話。主人公は内科から派遣されてきた若い女性研修医、権威の教授は言動がだいぶエキセントリック、准教授の先生はこれまた変わり者のアメリカから来た女性。話の進み方は確かに少々ドラマ仕立て。いくらなんでも県警の現役刑事がそんな行動はしないよなぁとか、真実を突き止めるためとはいってもみんなちょっと常識外れだよねとか、突っ込みどころはたくさんある。なのだが、その結果として明らかになる予想外の事態。法医学も含めて医学知識にはかなり乏しいのだが、読んでいてええぇ~と思いつつ説明にはなんだか納得してしまう書きっぷり。この辺はもう著者の筆力なのでしょう。さらに各編でちょっとずつ伏線を置いていき、最終輪でばっちり回収するというミステリファン向けの読者サービスも忘れない。楽しめました。
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