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読了:鉄道旅ミステリ (1) 夢より短い旅の果て, 柴田よしき [読書日記]

* 鉄道旅ミステリ (1) 夢より短い旅の果て, 柴田よしき, KADOKAWA/角川書店, 9784041034576

柴田よしきの鉄道旅ミステリシリーズの第1弾。
個人的には柴田よしきというと「猫探偵」シリーズの印象が強いのだが、巻末解説(有栖川有栖!)などを読むと、なかなかの鉄道ファンのようだ。へぇ。

本書は、とある目的で某大学の鉄道旅同好会なるサークルに加入したヒロインが、先輩諸氏をはじめとする多くの人との出会いやら、自分を見つめ直す一人旅やらを経て、人間的に成長していくさまを描く、というのが主題のようである。全体としてミステリの体裁をとった謎も提示されるが、たぶん今後もこれがメインという形ではないだろうと思える展開である。

とはいっても、紹介される鉄道旅にはちょっとマニアックな選定がみられたり(氷見線はともかく、北陸鉄道…)、絶対に著者の思い入れだよと思える飯田線の旅、そしてタイミング的にちょっとうっとなってしまったスーパーひたち仙台行き、などなど。

そもそも○○殺人事件のような「鉄道ミステリー」だと思って読むと肩透かしを食らうし、マニアックな知識満載な鉄道小説だと思って読んでもそれもちょっと違う。あまり鉄道鉄道という感じではない女性読者あたりが対象なのかなとも思う。(ただそれにしては、この表紙の飯田線80系旧型電車らしきイラストは飛ばし過ぎな気がしますね。)

作品全体に流れるテーマとして、ローカル鉄道に限らず、日本のいわゆる地方に対する愛に満ち溢れている感じがして心地よい。第2弾は東北方面中心のよう。楽しみである。

鉄道旅ミステリ (1) 夢より短い旅の果て (角川文庫)


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