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読了:デザインマネジメント, 田子學 [読書日記]

* デザインマネジメント, 田子學, 日経BP社, 9784822276294

デザインマネジメントの考え方によって、「デザイン」は意匠にとどまらずプロジェクト全体を俯瞰する手段へ昇華すべし、といった取組みに関する(いわゆる)ビジネス本である。
個人的にそもそも工業デザインに興味があり(DAノーマン本など)、また、最近ちまたでちょくちょく目にする「デザイン・シンキング」的な考え方も面白いなと思っていたため(ちなみにIDEO本も数冊読了済み)、ほぼ表紙だけ見て購入したもの。

この本は、しかしその何れでもない。
もともと著者の田子氏は工業デザイナーを生業としており、しかしそれに飽き足らず(というより時代の要請によって?)、より高い観点からプロジェクト(主に、いわゆる新製品プロジェクト)全体をデザイン(繰り返すが意匠のことではない)するような取り組みをされており、その考え方、取り組みの具体例や成果について書かれた内容になっている。

読了しての感想だが、著者と立ち位置(もともと工業デザイナー)が異なる読者にとっては、趣旨には賛同するところであるし、この考え方自体が大事なこともわかるが、主体的に自分がどうこうという意識として受け入れづらいような気がする。受け入れ可能な意識としては、例えば、自分が当事者として、新製品プロジェクトを立ち上げようという際に、さて田子氏のような人材をどういうスタンスで受け入れれば最大成果を得られるか、について予め理解できていること、といったところだろうか。

一方で、巻末に近い第5章では一般化に向けたと思われる解説が試みられており、ここは背景事情の異なる読者にとっても比較的適用可能な方法論となっているように読める。ただ、その分、全般に尖鋭な雰囲気が読み取れる本書の中で、やや浮いて見える気がするのはちょっと残念。

結局、こんなことをいうのも少々しゃくだが、著者の示そうとしている高い意識に自分が追いつけていないだけのかもしれない。第1章と第5章だけでも、もう一度時間をかけて読み込んでみましょうか。

デザインマネジメント


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