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読了:失敗のメカニズム―忘れ物から巨大事故まで 芳賀繁 [読書日記]

* 失敗のメカニズム―忘れ物から巨大事故まで, 芳賀繁, 角川書店, 404371601X

ここ10年くらい散発的に出版されている失敗学(安全学)系統の先鞭の本。安全関係に興味がある人は一度は読んでおくとよいと思われる。

文中でも名前入りで言及され、かつリファレンス付きで引用されているが、DAノーマンのアフォーダンスとか、JSワイルドのホメオスタシスとか、現在までに知られているヒューマンエラー関係の概説を広くまとめたような内容だ。

比較的平易な文章で、図表もあるていど取り入れながらではあるが、技術的解説がひたすら続くのでその方面に興味がない人は読みにくいかもしれない。
中盤の、中華航空失速事故、国鉄三河島事故やカナリア諸島の滑走路事故など、有名ないろいろな過去の事故事例を分析しているところは読みごたえがある。ただ、紙数の関係からか、各事故の詳細についてはあまり突っ込めていない。詳細はそれぞれのリファレンスにあたれということか。論文などではこれは普通だが、一般読者がそこまで引くかどうかは怪しいと思うのだが・・・。

個人的には、ノーマン「誰のためのデザイン?」に始まる新耀社の認知科学シリーズ、柳田邦夫「マッハの恐怖」シリーズや「フェイズ3の眼」、ワイルド「交通事故はなぜなくならないか」などを読了済みのため、情報としての新規性はそれほどでもなかった。その中でも、JR総研が実施したという各種の実験結果(例えば、指差し呼称の有効性実験など)などは興味深いものであった。

失敗のメカニズム―忘れ物から巨大事故まで (角川ソフィア文庫)


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