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読了:パイは小さな秘密を運ぶ (The Sweetness at the Bottom of Pie) アラン・ブラッドリー [読書日記]

* パイは小さな秘密を運ぶ (The Sweetness at the Bottom of Pie), アラン・ブラッドリー, 古賀弥生, 東京創元社, 9784488136024

イギリスの片田舎に住む化学好きの少女の冒険(と言っていい)を描くミステリ。CWA賞、アガサ賞などなど受賞多数の作品だ。書店で平積みになっていたのが目について購入。

冒頭の数ページのつかみが素晴らしく魅力的。なんなんだこいつは、と思う間もなく事件は勃発、とんでもない化学知識量と無鉄砲ともいえる行動力とで、この11歳の少女は事件にどんどん巻き込まれ(飛び込んで?)いくのだ。そしてちゃくちゃくと明らかになる、ある重要物品のゆくえ。かなりの僥倖に助けられつつも、事件は深く時代をもさかのぼり、、、、と息つくひまもなく怒涛のラストに向かうのである。

時代は1950年代の設定。登場人物数はそれなりに多いのだが、だれもが原則ステレオタイプに描かれているのが助けだ。一方で主人公(というかヒロイン)の人物描写がかなり破天荒、超個性的なのだが、これも魅力の一つかも。読み手側に、もし化学物質の名称やらにアレルギーがあったなら、それはまぁ軽く読み飛ばしてOK。でも、あっちこっち会話や思考が脱線しまくるのは、しょうがないと思って付き合うしかない(ちゃんと読まないと伏線を…(笑)ちなみに化学好きヒロインという設定はちゃんと意味がある)。それから、クリスティへのちょっとしたオマージュが時々チラと出てくるのも、古いミステリ読みにとって案外楽しいのだ。

ともあれ、第2弾もできているらしいので、そちらも手にとってみたいところ。さあどれだけ引っ張りますかね。

パイは小さな秘密を運ぶ (創元推理文庫)


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