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読了:探偵ダゴベルトの功績と冒険 (Detektiv Dagoberts Taten und Abenteuer) バルドゥイン・グロラー [読書日記]

* 探偵ダゴベルトの功績と冒険 (Detektiv Dagoberts Taten und Abenteuer), バルドゥイン・グロラー, 垂野創一郎, 東京創元社, 9784488293055

20世紀初頭のウィーンを舞台にした探偵小説。名探偵ダゴベルトの活躍が、主にダゴベルト自身によって語られるという形式だ。グロラーは初読、と思いきや、巻末解説にて、江戸川乱歩の世界短編傑作集2に収録されていることが判明。(後ほど再読。)

さて主人公たるダゴベルトだが、あまり若い描写ではないが、頭脳明晰、行動力抜群、自らの地位や知己の力を借りての情報収集でもって事件を穏便に解決するという、かなりのスーパーマン探偵だ。様々な事件が勃発するも、たいがいはウィーンの上流社交界に関連しており、事件をスキャンダルにしないよう最大限の努力が払われ、結果ダゴベルトは成功する、という話が主体だ。その活躍ぶりはあくまで「優雅」で、探偵というよりも、ややヒーロー小説に近いかもしれない。

レギュラー登場人物たちにより作品中で交わされる会話の数々がいちいちユーモア満載であったり、話の最後に犯罪者の処分をどうするかといったあたりがアルセーヌルパン調であったり、ストーリ自体に非常にウィットにとんだ描写が多いのが特徴であるといえる。翻訳もなかなかよいのだろう、かなりさくさく楽しく読めること請け合いだ。ちょっとした掘り出し物という感じである。

探偵ダゴベルトの功績と冒険 (創元推理文庫)


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