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読了:追想五断章 米澤穂信 [読書日記]

* 追想五断章, 米澤穂信, 集英社, 9784087468182

米澤といえば高校だの中学だのを舞台にした青春ミステリというイメージだが、本作はちょっと毛色が違う。
主な舞台は古書店(ということで最近はやりのあの作品が頭をよぎる)、主人公たる菅生くんは大学休学中の居候だったり、ちょっとパッとしない状況設定という印象から始まる。

失われた5編の短編を探して回るというややマニアックなミステリ的ストーリ、徐々に見つかる各作品(リドルストーリ)の中身の思わせぶりな作風、そして毎回取ってつけたように付け加えられる「リドルストーリの結末」。ぼんやりとした不安感を増幅させながら、読者としてはどんどんページをめくるしかなく、そして最終章、大どんでんがえしというより、思ってもみなかったとんでもない事実、を突き付けられて困惑してしまうのだ。

この作品自体が、その仕掛けでもあるのだ。

追想五断章 (集英社文庫)


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