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読了:検死審問−インクエスト− (Inquest) パーシヴァル・ワイルド [読書日記]

* 検死審問−インクエスト− (Inquest), パーシヴァル・ワイルド, 越前敏哉, 東京創元社, 9784488274047

一級品の古典ミステリである。戯曲ぽい体裁をとりながら、検死審問がちゃくちゃくと進んでいき、そしてラストで明らかになる驚きの真相!という話です。

冒頭、読みづらいなあーなんでこんな体裁の記述なんだ、なんて単純に思っていると、術中にハマるという構成。ニコラス・ブレイクの某作にも通じるところがあります。途中にちょこちょこ現れるユーモア系の記述に目を奪われてはいけない、というのがポイントかも。作者は絶対狙っていたに違いない。

まあ古典だし一応読んでおきましょう、というつもりで読むと驚かされます。

# 本作とは関係ないが、ここしばらくの間、SF翻訳の小隅さん(『新造人間キャシャーン』のSF考証でも有名)とか、ミステリ作家の北森さん(ビアバー「カナリア」シリーズ等)とか、大家が立て続けに亡くなっていて、えぇーという状態です・・・。


検死審問―インクエスト (創元推理文庫)


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