読了:日曜の午後はミステリ作家とお茶を (Shanks on Crime), ロバート・ロプレスティ [読書日記]
* 日曜の午後はミステリ作家とお茶を (Shanks on Crime), ロバート・ロプレスティ, 髙山真由美, 東京創元社, 9784488287047
コージーミステリの雰囲気(必ずしも描かれる事件はコージーでもないが)の連作短編集である。
ロプレスティ作品は初読。というより、解説など読むと本邦初紹介のものらしい。書店で平積みになっているのを見て、へぇ~と思ったのが第一印象。
内容はというと14編の短編(一部ショートショート風のものを含む)を収録。主人公はいまいちブレークしないミステリ作家レオポルド・ロングシャンクス氏。切れ者の奥様であるコーラも、ミステリ分野ではないが同じく作家、という設定である。描かれる事件は、殺人がからむものから、ちょっとした紛失物の謎まで幅広い。いくつかは犯罪すら起きていない(未然に防げた)という話。著者が各編末尾のメモにも書いているが、これら作品は主にアルフレッド・ヒチコック・ミステリマガジンに掲載されたものを集めた形である。
で、これが読んでいてやたらと面白い。古典ミステリにありがちな超絶トリックが駆使されて、とかそういう話ではもちろんないし、シャンクス氏(なぜか苗字を略して皆からシャンクスと呼ばれている)が超人的な洞察力を発揮する、という話でももちろんない。本作の舞台は現代のアメリカで背景理解はまったく問題なし。(おそらく翻訳者の腕もあるのだと思うが)すらすらと読めて、ふむふむと納得して、最後にはウィットに富んだオチでクスッと笑う、そういう読書体験を存分に楽しめた。個人的には、「階段」「タクシー」あたりは、この最後の最後でこうきますかというヒネリで吹き出しそうになってしまった。
短編で気軽に読みはじめられるし、ミステリ小説のお約束的な面倒な話は出てこないし、ましてやきわどい描写など皆無なので、通勤電車の中などでも読みやすい。オススメ。
コージーミステリの雰囲気(必ずしも描かれる事件はコージーでもないが)の連作短編集である。
ロプレスティ作品は初読。というより、解説など読むと本邦初紹介のものらしい。書店で平積みになっているのを見て、へぇ~と思ったのが第一印象。
内容はというと14編の短編(一部ショートショート風のものを含む)を収録。主人公はいまいちブレークしないミステリ作家レオポルド・ロングシャンクス氏。切れ者の奥様であるコーラも、ミステリ分野ではないが同じく作家、という設定である。描かれる事件は、殺人がからむものから、ちょっとした紛失物の謎まで幅広い。いくつかは犯罪すら起きていない(未然に防げた)という話。著者が各編末尾のメモにも書いているが、これら作品は主にアルフレッド・ヒチコック・ミステリマガジンに掲載されたものを集めた形である。
で、これが読んでいてやたらと面白い。古典ミステリにありがちな超絶トリックが駆使されて、とかそういう話ではもちろんないし、シャンクス氏(なぜか苗字を略して皆からシャンクスと呼ばれている)が超人的な洞察力を発揮する、という話でももちろんない。本作の舞台は現代のアメリカで背景理解はまったく問題なし。(おそらく翻訳者の腕もあるのだと思うが)すらすらと読めて、ふむふむと納得して、最後にはウィットに富んだオチでクスッと笑う、そういう読書体験を存分に楽しめた。個人的には、「階段」「タクシー」あたりは、この最後の最後でこうきますかというヒネリで吹き出しそうになってしまった。
短編で気軽に読みはじめられるし、ミステリ小説のお約束的な面倒な話は出てこないし、ましてやきわどい描写など皆無なので、通勤電車の中などでも読みやすい。オススメ。
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