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読了:無常の月~ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン~, ラリイ・ニーヴン [読書日記]

* 無常の月~ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン~, ラリイ・ニーヴン, 小隅黎, 早川書房, 9784150121730

SF界の巨匠・ニーヴンの中短編傑作集。訳者にせんだって亡くなったはずの小隅黎がクレジットされていて一瞬驚いたが、単に新訳ではないということのよう。

7編の収録作(帝国の遺物、中性子星、太陽系辺境空域、無常の月、ホール・マン、終末も遠くない、馬を生け捕れ!)の半分以上が別の短編集などで読了済みなのだが、「ホール・マン」「馬を生け捕れ!」の2編が初読である。ほとんどこの2編のために買ったようなものだ。もっとも既読の作品も、このところニーヴンの新作を読んでいないのもあって、久しぶりにドキドキしながら楽しい読書体験でありました。いや、本当にこれは楽しい。

それから解説氏が末尾でも触れているが、現在「無常の月」は映画化の話が進行しているとのこと。それでこの短編集が編まれたということのようなのだが、ハヤカワの商売魂はともかくとして、今どきのSFXでどう映像化されるのかを楽しみにして待ちたい。


無常の月 ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン (ハヤカワ文庫SF)


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読了:誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (How Music Got Free), スティーヴン・ウィット [読書日記]

* 誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (How Music Got Free), スティーヴン・ウィット, 関美和, 早川書房, 9784152096388

タイトルのとおりのドキュメンタリ本。
半年ほど積読になってたのをようやく読了。実は読み始めたモチベーションは、いきつけの本屋に先月から文庫版が並び始めたのをみて焦ったというもの・・・(汗)。ペイパーバックの単行本だが、真っ黄色の表示が目立つのと、帯紙の売り文句がなかなか刺激的。「エンターテインメント、コンテンツ、出版、著作権ビジネスに関わるすべての人、必読」「本年(注:2016年に和訳が出ています)最高のビジネス・ノンフィクション!」という感じだ。

そして読み終えての感想は、、、うーんかなり微妙であります。
最初のほうでドラマ仕立てで語られる、mp3圧縮技術に関する音質評価と標準化競争の話、はワクワクと大変面白く読めた。
・・・のですが、中盤から最後までは個人的に全く興味がない話がひたすら続いて、ほとんど全て斜め読み。米国ミュージシャンの名前と曲名の列挙(カタカナで書いてあるのもあいまって、ほとんど読む気がしない)、ユニバーサルだかコロンビアだかの音楽コンテンツ業界(とその会社のエグゼクティブの面々の)盛衰の話、CDリッピング&P2P共有するのを生きがいにしているやつら(そんな商売もんに手を出すコソ泥みたいな犯罪の手口を事細かに自慢げに詳述されてもなぁ)、そして最後にはいかにも米国っぽい法廷闘争と駆け引きの話。

帯紙に必読と書かれているような、エンタテイメント、コンテンツ、出版、著作権ビジネスに関わる人、ではない自分が読んでも合ってなかった、だけなのかも知れない。著作権保護技術には以前仕事で少し関わっていたけど、それは決して著作権ビジネスではなかった(著作権ビジネスをやっている人たちに強要されてやっていた仕事)からかもしれないですが。

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち


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読了:スタンフォード式最高の睡眠, 西野精治 [読書日記]

* スタンフォード式最高の睡眠, 西野精治, サンマーク出版, 9784763136015

睡眠の質を上げてパフォーマンスをあげましょうという本である。某所でお勧めされていたのがきっかけで手に取った。(18刷)

正直、タイトルがものすごく恥ずかしいと思えるのは気のせいか。著者の方はStanford(もちろんカリフォルニアはシリコンバレーの原動力になったあの有名大学のこと。キャンパスには何度かお邪魔しました)で研究活動をされているとのことなので、もちろん間違いではないのだが・・・研究者本人がよくこれでOKだしたなという印象が先に来る。

中身にはいると、まず随分と文字が大きくて行間が広く、段落分けも多用されているので見かけのボリュームよりはだいぶあっというまに読み切れる。近年の研究成果を(ものすごく)かいつまんで引用しながら(referenceは巻末に見開き2ページだけだが付いている)、睡眠の質とはそもそもどういうもので、普通の日本人が達すべき到達点はこれだというのを指南してもらえる、というように自分は受け止めた。

そのうえで、個人的に気に入らない点(1)本文中でやたらと多用される傍線とボールド。これ本当に研究者が書いたのだろうか?(もしくは本人の知らないところで編集者が(文字通り)編集しまくったのではないか?)。(2)ちゃんと校正していないのかもだが、例えばページ43のグラフ。nも明記されているし、エラーバーも描いてあるし、さすが、と一瞬思いました。が、エラーゼロの点って本当?とか、エラーバーの下限が欄外とかおかしいし、こまかいことを言えば横軸に単位がないとか。残念ながら、このグラフを見てから以降、最後まですっかりまゆつばな読み方になってしまった。(3)さらに巻末近くなってくるともう一点、論文掲載されて一定の検証済みの科学的事実と、著者本人が経験から感じている経験則レベルのことをいっしょくたにしている(ように見える)のも、冒頭で大上段にかまえたこの書籍の狙いからしてどうなのよ等と思えてしまう。

結局、手に取ったときにうっすら嫌な予感がした「出版社がこの会社」というところなのかも。もちろん、読む前からそんな失礼なことをいうべきではありませんがね。いやでもしかし、これ本当にご本人が執筆・校正されたのでしょうか。

スタンフォード式 最高の睡眠


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