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読了:地球温暖化はどれくらい「怖い」か? : 温暖化リスクの全体像を探る, 江守正多、気候シナリオ「実感」プロジェクト影響未来像班編著 [読書日記]

* 地球温暖化はどれくらい「怖い」か? : 温暖化リスクの全体像を探る, 江守正多、気候シナリオ「実感」プロジェクト影響未来像班編著, 技術評論社, 9784774150352

いわゆる「地球温暖化」という現象について、現在の科学でわかっていること、わかっていないことをなるべく定量的に把握してもらおうという解説本。

2012年の出版なので、日本の東日本大震災の影響(もちろん化石燃料の消費量が莫大に増えたこと)は一部織り込まれているものの、データ自体が少々古いのは否めない。が、この種の予測値が画期的に精度が上がったり閾値を越えたりするのはまれなので、まずはおおまかな方向性を知るには十分と思われる。

冒頭にもあるが、本書の基本スタンスは、温暖化の(おもに人類にとって)良い影響、悪い影響、ともに分け隔てなく取り扱おうというもの。これも冒頭や巻末にあるが、それぞれの影響をどういう重みで受け止めるかは、それぞれの個人、地域、国、政治的信条、経済的階層、などなどによってまるで異なる、からということ。本件に関して、科学的に正しい唯一の判断を下そう、なんてのは幻想なのだと説く。

結局、そうだからこそ、ときおり目にするセンセーショナルな主張、シロクマが困っている写真で温暖化ヤバイ!やら、原子力なんてダメだからぜんぶ石炭火力にするしかないじゃん!やらの極端な主張は、それってどういう背景を持つ人が主張しているの?というのを、読む人が判断しなければいけないわけで、広い意味でのメディアリテラシーが地球の全住民に求められているということになるのではないのか。そういう問いをこの本は提供してくれている。


地球温暖化はどれくらい「怖い」か? ~温暖化リスクの全体像を探る


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