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読了:月輪先生の犯罪捜査学教室, 岡田秀文 [読書日記]

* 月輪先生の犯罪捜査学教室, 岡田秀文, 光文社, 9784334778866

明治時代の東京を舞台にしたシリーズもの連作短編集である。
これまでのシリーズで月輪(がちりん)探偵&語り手たるワトソン役という作りだったが、本作はワトソン役不在。その代わり、月輪先生の講義を受講している帝大生3名が、実習の名のもとにそれぞれ推理を繰り広げるという趣向である。

学生による推理が提示されてはそれが合理的な理由で却下されるというのを繰り返し、最終的には月輪が真相を暴くという形自体は本作を通じて基本的に共通。読者としては、読みすすめていく途中から水戸黄門ばりの様式美なのかと思い始める始末である。

ミステリの話としては(部隊たる時代性がそうさせるのかもしれないが)、どちらかというと緻密なトリックというよりはあっと驚くストーリーテリング。もちろんこれはこれで面白く(特に短編であるので)、その時代だからこその事情や錯誤やらも巧みに取り入れているあたりはさすが、と思えた。

気軽に肩の力を抜いて読むのがよさそうである。

月輪先生の犯罪捜査学教室 (光文社文庫)


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